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夢幻夜咄

小説や漫画の感想や紹介などをちまちまと。

『うつくしい子ども』石田衣良

『うつくしい子ども』 石田衣良

学園都市を震撼させた9歳の女の子の猟奇殺人。
犯人は13歳、中学一年の弟。
生活が一変したその家族。
そんな中、14歳の兄は、何故弟が事件を起こしたのか、理由を探し出す。
「夜の王子」とは一体何なのか?
事件の真相は?

加害者の家族に視点を置いた、ミステリー。



事件を起こした子供の家族は必ずといっていいほど言います。
「まさか、あの子が!?」「なんで、あの子が?」と。
本気で、事件の真相を、その子の気持ちを考えようとする人は、何人いるんだろうか?

 追い込まれたにしろ、自分から突きすすんだにしろ、あの状況にカズシをむかわせるなにかがあったはずだ。(中略)でも理解しようという気持ちをなくしたらだめだと思った。カズシはこれからもずっとぼくの弟なんだから、いくら時間をかけたってかまわない。すくなくとも自分で納得できるまで、カズシの気持ちや心の動きを調べてみよう。 (本文p120)

弟の気持ちが分かっても、弟がしたことは変わらない。
そんなことは百も承知で、それでも行動し始めるのです。
週刊誌、新聞、テレビとマスコミの記者には追いかけられ、学校では完全にシカト。
そんな状況で、弟であることに変わりがないと言えるのがすごいなと思いました。
私がこの兄の立場だったらと考えると、私は「それでも家族」とは決して言えないと思います。

しばしば、マスコミの過熱報道は問題になります。
犯罪を起こした人はもちろん悪いと思います。
(完全悪かどうかはともかくね。)
原因を知りたくなる気持ちも、もちろん分かります。
ただ、罪を犯したした人の家族までも同罪だと言うように、追い掛け回し、
被害者の家族にも同じように、お涙ちょうだい的なコメントを撮ろうと躍起になって追っかける。
原因解明のためにと、好き勝手に犯罪者の心理分析をする番組や記事。
人から関心をもらえれば、事件の真相なんて、ホントの所どうでもいいのではないか?とさえ思えてきます。

この小説が加害者の家族という視点で書かれていたので、以前から持っていたそんな思いが強くなりました。

犯罪者の一面だけを見ても、全てというわけではありません。
事件の真相ってのは、本人、その家族とか、それに近い人しか分からないんじゃないのでしょうか。
そんなことを考えました。

あ、何か重ーーーくなってますが、小説自体はそこまで重くはない・・・と思います。
わりと読みやすく面白かったです。
事件後も変わらず接してきて、真相を一緒に探しだす二人の友人の(特に委員長の)秘密に笑ってしまいました。

読書感想をもっとうまく書ける、文章力が欲しいです。

テーマ:読書感想 - ジャンル:本・雑誌

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